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Forward in Christ  2024年9月号より

キリストにおいてのみ、神は人々を勝利に導きます。生きるにしても死ぬにしても。
スティーブン・P・キュール

イエスにある勝利

以下の内容は、2024年7月5日に私(スティーブン・キュール)の個人フェイスブックページに投稿したものです。その6日前、別荘の火災で妻のカリス(39歳)、末娘のステラ(5歳)、妻の父スティーブン・ウィッティ博士牧師(66歳)※、彼女の妹リディア・ウィッティ(35歳)、そして姪のレナ・ヘンセリン(8歳)とメルシー・ヘンセリン(34か月)が亡くなりました。

今回の火災は、私たちの人生に劇的な変化をもたらしました。ここ数日、皆様から哀悼の意やお祈り、ご寄付、また家族へのご支援の申し出をいただき、心から感謝しております。すべてのメッセージやご寄付に目を通し、考えを巡らせ、ましてや返信することさえまだできていませんが、皆様からの愛とお気遣いに深く感謝しています。

娘たちと私は、愛する家族6人の突然の天国への旅立にまだ戸惑っています。ですが、その一人ひとりの最も大切なアイデンティティが「天の父の子ども」であることを知っています。ですから、神の恵みによって、「なぜ」と問い続けることはしていません。愛する人々を天に召すことは、主なる神の愛の御心に他ならないからです。

突然訪れたこの新しい現実を前に、私たちは戸惑いながらも、主なる神が私たちと共におられるという確信を失っていません。2024年6月30日以前も、そしてその後も、主は毎日私たちと共にいてくださり、今私たちが理解することさえできない、驚くべき方法で導いてくださるでしょう。これは主がどなたであり、何をしてくださるかが一番大切であるということです。

私たちは、主の恵みによって新たな力が与えられ、信仰の戦いが続けられていることを日々実感しています。まだ終わりの日は訪れていませんが、私たちはいつもイエスへの信仰を守り続けることに心に留めたいと思います。

ですので、どうか今、カリス、ステラ、スティーブ、リディア、レナ、メルシー、そして他のすでに天に召された愛するクリスチャンたちの、永遠の健康とキリストにある勝利に乾杯してください。彼らが天においても地上においても神の御心に従い、信仰によって勝利したことを共に祝いましょう。私たちがキリストの勝利を祝う時、悪魔は少なからず苦しむことでしょう。なぜなら、悪魔の目論見に反し、キリストを通して私たちの信仰がさらに強まるからです。

どうか神が、私たちに「私は裸で母の胎から出て来た。また、裸で私はかしこに帰ろう。主は与え、主は取られる。主の御名はほむべきかな。」(ヨブ記 1:21)と言える信仰を日々与えてくださるよう、祈り続けてください。

    愛を込めて、
スティーブン・キュール

追記:
 Forward in Christ(WELSの公式月刊誌)から、私の文章を記事にしたいとの連絡を受けた時、私はすでにフェイスブックでの反応を見て複雑な気持ちでした。この投稿に感動してくださった方々に謙虚な気持ちを抱く一方で、私の信仰の強さに焦点が当たることに少し戸惑いもあったからです。

この投稿で表された信仰は、決して自分で作り上げたものではなく、聖霊が御言葉と聖礼典を通して私の中で働いてくださった賜物です。私は42年間の人生で、信仰深い両親、多くの牧師、そしてWELS学校システムの優れた御言葉の教師から教えを受けてきました。

さらに、15年間の牧会経験もあり、私が神の御言葉である聖書の教えの中で過ごすことができた時間は、通常の基準を超えています。この祝福がなければ、私はこの悲劇に対して信じられないほど「悲惨」な状態になっていたとしても驚きません。困難の中で立ち上がるために必要な信仰を私たちの内に育んでくださる主の恵みに、私はただ感謝するばかりです。

スティーブン・キュール牧師は、オハイオ州パウエルのシェパード・オブ・ピース(平和の羊飼い)教会で牧会しており、最近ミネソタ州ニューアルムのミネソタ・バレー・ルーテル高校での教師職を受け入れました。

下記は表題の挿絵画家による投稿文です。

悲劇を聞いた時、私は祈りながら、机へと引き寄せられました。神の創造物や亡くなったの方々の肖像画を描くことが、私にとって心を癒やす時間になったからです。

2023年11月、裏庭での事故で12歳の息子を亡くした大学の友人ハンナとカール・ヘンセリンの家族が火災に遭い、安否が不明だと聞いたとき、私は友人家族が、その救い主であるイエスと共に歩く姿を描きたいと思いました。

私はそれを水彩画とグワッシュで描き上げた後、ハンナとカールに送りました。そして、同じ絵をオンラインで共有したところ、これまでに60,000回以上閲覧され、多くの方々と繋がることができました。私の作品が、この地上での時間が終わった後に、イエスのもとで、愛する人々と再会する希望の証となることを願っています。

ロリ・エルケ
ウィスコンシン州にあるセントポール高校とルター高校で美術教師を務めるロリ・エルケの作品については、ehlkeart.com をご覧ください。

今回の火災で亡くなったティーブン・ウィッティ博士は、2009年から2021年まで香港のアジアルーテル神学校の学長を務め、最近はタイ・チェンマイでAsia One Teamの重要なリーダーとして活動されていました。下記はWELS公式ホームページに掲載されたウィッティ博士の追悼文です。原文はこちらです。https://wels.net/obituary-steven-lance-witte/
葬儀は下記のルーテル教会で予定通り行われ、日本からも、オンラインで参列することができました。現在も上のリンクから録画ビデオを観ることができます。

スティーブン・ランス・ウィッティ博士は、1957年9月6日、ミシガン州アナーバーで生まれ、洗礼を通じて正式に神の子とされました。ミシガン州サウスヘイブンで育ち、セント・ポール・ルーテル教会とその小学校で信仰を養いました。

1976年にサウスヘイブンのL.C.モーア高校を卒業後、ウィスコンシン州ウォータータウンのノースウェスタン・カレッジで牧会学を学び、主の召しに従いました。学生時代には、ウォータータウンのコミュニティプールでライフガードを務め、またミシガン州マスキーゴン近郊のキャンプ・ロー・レイ(ルーテル教会の子どもキャンプ)で夏季キャンプのマネージャーとして働きました。

1985年にはウィスコンシン州メクォンにあるウィスコンシン・ルーテル神学校で牧師の学業を修了し、さらに2007年、ボストンのゴードン・コンウェル神学校で神学博士号を取得しました。

1982年にはメアリー・サーウィーと結婚し、以降、長年にわたりウィスコンシン福音ルーテル教会(WELS)で奉仕しました。
その奉仕歴は次の通りです:

ウィスコンシン州ニュー・ロンドンのエマヌエル・ルーテル教会(1985年7月~2001年8月)
ウィスコンシン州グリーンベイのビューティフル・セイヴィア・ルーテル教会(2001年8月~2009年月)
香港・九龍のアジア・ルーテル神学校(2009年8月~2021年10月)
最近では、タイ・チェンマイのAsia One Teamに所属し、神の使命に応え続けました。

スティーブン博士は、アジアやその周辺地域の多くの人々にキリストの福音を伝えるという神の使命を、誠実に、粘り強く、創造的かつ謙虚に遂行しました。

スティーブン博士と妻メアリーさんには5人の子どもと11人の孫がいました。スティーブン博士と2人の娘〔※以下敬称略〕(カリス・キュールとリディア・ウィッティ)、3人の孫娘(ステラ・キュール、レナ、メルシ・ヘンセリン)は家族旅行中の火災事故で亡くなりました。彼の遺族として、妻のメアリー、エガン(ミネソタ州)に住む息子セス(妻ケイトリン)、オハイオ州コロンバスに住む息子ミカ、娘ハンナ(夫カール)と、7人の孫(イザヤ、ザカリー・ヘンセリン、ノラ、ヴェラ・キュール、ジョサイア、ミカ、アンナ・ウィッティ)が残されています。

「私にとっては、生きることはキリスト、死ぬことも益です。」(ピリピ1:21)という聖句こそ、スティーブン博士の信仰に満ちた生涯を端的に表しています。

スティーブン博士と娘リディアさんの合同追悼式は、2024年7月9日(火)にウィスコンシン州デ・ピアの、セイント・マーク・ルーテル教会(住所:2066 Lawrence Dr, De Pere, WI 54115, USA)で行われます。
弔問は午後1時から3時、その後3時から追悼式が執り行われます。ライブ配信もこちらのリンクでご覧いただけます: https://www.youtube.com/live/gZpwPbeOpEE

お花の代わりに、ご家族は「スティーブン・ウィッティ記念奨学金」へのご寄付をお願いしています。この奨学金は、スティーブン博士の遺志を受け継ぎ、キリストの愛をまだ知らない方々に福音を伝える働きを続けるために設立されました。寄付金は、アジア・ルーテル神学校の学生の学費や、その他の関連費用を支援し、アジア各地で指導者を育成するために使われます。

 

 

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